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<Qちゃんお勧めのマラソン> 高橋尚子 「大切なことはすべて大会が教えてくれた」 

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byTomoki Momozono

posted2014/09/25 11:20

<Qちゃんお勧めのマラソン> 高橋尚子 「大切なことはすべて大会が教えてくれた」<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

「酔うことはなく最終的に15杯もいきました(笑)」

「最初は不安でしたよ。もともとコップに半分ほどで意識がなくなるので、周りが心配してました。でも、いざマラソンになるとスイッチがオンになるのか、走っている時は骨折しても痛みを感じないくらい集中するので、酔うことはなく最終的に15杯もいきました(笑)。逆にあと4kmの看板を見たときは、足早に来てしまった自分をすごく後悔しました。もっとゆっくり、もっと楽しんでくれば良かったって。現役時はタイムと順位を気にしながら、1分1秒でも速くと思いながら走ってたんですけど、その概念を覆された。ランナーはもちろん、ワインの出展者も観客もみんなが主役になって楽しんでいる。それがほんとすごいなァって」

 現役時代、計12回のマラソンで7度の優勝、シドニーオリンピックで金メダルを獲得したのは周知の通りだ。引退後はゲストランナーとして毎年20前後の大会に参加し、今も生活の中心にはランニングがある。

 先週もボルダーで20マイル(約32km)を2本走ってきました、と話す高橋さん。じつは、現役時代から練習の一環として多くの海外レースに出場していたという。

「ロックンロールマラソン」で受けた衝撃を日本でも!

「私が最初に衝撃を受けたのは、アメリカの東海岸で行われる『バージニアビーチ・ロックンロール・ハーフマラソン』。どういう大会かというと、5kmごとにステージが設けられていて、そこで地域のアマチュアバンドが演奏をしてくれるんです。ゴールが海岸で、そこにはさらに大きなステージが組んであって、表彰式後にコンサートが始まるんです。誰がゲストで来たと思います? ジャーニーですよ! コンサートよりも近い距離で音楽を感じながら、走った人もそうでない人も一緒に肩を組んで盛り上がる。大合唱で、2時間も。走ったことよりもそのコンサートの方がずっと印象深いんです(笑)。それからジャーニーがすごく好きになって、今でもたまに聴きますね。

 その感動が忘れられなくて、私がプロデュースする『ぎふ清流ハーフマラソン』では、必ずゴールの後にサンプラザ中野くんのコンサートをやるんです。アメリカで体験したあの楽しさを、日本の人たちにもぜひ知ってもらいたくて。走ること自体ももちろん楽しみだけど、それ以外にも楽しみが持てるのって良いじゃないですか」

【次ページ】 標高4300mまで上がる「マウントエバンス」の絶景。

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高橋尚子

陸上の前後のコラム

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