Number Do SpecialBACK NUMBER
<Qちゃんお勧めのマラソン> 高橋尚子 「大切なことはすべて大会が教えてくれた」
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byTomoki Momozono
posted2014/09/25 11:20
自ら走るのはもちろん、応援や解説、プロデューサーという立場からも
ランニングに携わるQちゃんに、大会のことを存分に語ってもらいました。
本日発売の雑誌Number Do『完全保存版 死ぬまでに走りたい100の大会』
より、シドニー五輪マラソン金メダリスト・高橋尚子さんが語った
マラソン大会の醍醐味を公開します!
“大会”をテーマに広く話を訊きたい――。
そう切り出すと、高橋尚子さんはパッと笑顔になり、明るい口調で話し始めた。
「去年出た『メドックマラソン』、あの大会がすごく楽しかったです。これまでのマラソン大会と比較しても、楽しさでいえばもう断トツ! 走りきるのがもったいなくて、本気で逆走したいと思いましたからね」
印象深い大会として、まっ先に名前を挙げたのがメドックマラソン。秋にフランスで開催される名物マラソンのひとつだ。美しい葡萄畑をめぐるコースで、途中にあるシャトーの前では各ワイナリー自慢のワインが飲み放題。高橋さんにとって、「いつか出たいと願っていた」憧れの大会だったとか。
「現役を終えてからワインを勉強していて、とくにボルドーが好きなんです。私、アルコールは強くないんですけど、今、家のワインセラーにボトルが400本くらいあるんです。みんながうちに来て飲んでくれるのが嬉しくて集めてるんですけど、その98%がボルドー。だから、走っていてこれまで一生懸命勉強してきたワイン畑が目の前にある。それも1つ2つじゃなくて次々にシャトーの看板が出てくるんです。中には、1級のラフィットも出ていて興奮。美味しかったものは、また日本で飲んでみたいとチェックしたり。そういう発見がいっぱいありました。ワインって面白くて、飲んだ時の場所や景色、風の匂いとかを鮮明に思い出せるんですね。思い出にしおりを挟むような感じで、飲むといつでもそのページがよみがえる。趣味とマラソンが一緒になるのってなんて素晴らしいんだろうと、心から感動しました」