技術、判断力……スキルのなさを受け止めるべき。

　チリの平均身長175.5cmは出場国中もっとも低く、177.7cmの日本にとって参考になる部分は多い。その差を一言でいえば、スキルだ。今大会で日本は自分たちのサッカーができなかったのではなく、やらせてもらえなかったのだ。技術、判断力、すべてがW杯で上位を狙うレベルにはまだ達していない。そこをきちんと受け止めるべきだ。スキルが上がれば、「動いている」チームになる。

　無論、世界のトレンドとなっている190cm近いFWやCBが日本にはいないというのも真実だ。だがそういった選手を発掘するための努力は必要だが、待つものであり作るものではない。彼らがいないからコンマ1が縮められないというのが理由にならないのは、チリの戦いを目にすれば明らかだろう。

　この敗退は決して、日本サッカーの方向性が間違っていたということではない。今後も育成年代からJリーグまで、厳しい試合を続けてレベルを上げていくことが重要だ。

　それと同時に、ブラジル大会を目指したこの4年間の過程で何ができて何ができなかったのかをきちんと分析する必要があるだろう。傷口に塩を塗るような辛い作業かもしれないが、4年後はもちろん、その先の未来へ向けた確実な糧になるはずだ。日本サッカー界の一員として、私はそう感じている。