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「今夏の補強予算に上限なし」
マンUファンハール新体制は盤石か。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2014/07/25 10:40

「今夏の補強予算に上限なし」マンUファンハール新体制は盤石か。<Number Web> photograph by AFLO

7月17日監督就任会見に臨んだファンハール監督(左)とクラブのレジェンドであり現理事のボビー・チャールトン。

W杯で見せたファンペルシとファンハールの絆。

 ここには「W杯効果」も見て取れる。オランダ代表監督としてブラジル大会に臨んだファンハールは、戦前の予想を上回る準決勝進出を実現する過程で、母国定番の4-3-3システムに固執しない戦術面の柔軟性を見せた。

 準々決勝コスタリカ戦では、PK戦用にGKを代えた勇断が的中した。国際大会でのオランダと言えば内部不和による自滅も定番だったが、PK戦の末にアルゼンチンに惜敗したファンハールのオランダは一体感を醸し出していた。スペインから大量5点を奪ったグループリーグ初戦、ダイビングヘッドを決めたロビン・ファンペルシが、ベンチ前のファンハールの元に駆け寄ってゴールを祝ったシーンは、マンUのエースと新監督による新シーズンへの吉兆としてイングランドでも多くの国民を興奮させた。

最終ラインの再構築が急務。

 そもそもその新監督は、昨季終盤の時点ではトッテナムでの就任が噂されていた。しかし当時、ファンハール就任によってトッテナムを翌シーズンの優勝候補と見なす向きは皆無だったと言ってよい。

 たしかに、マンUとトッテナムではクラブの「格」が違う。最終的にファンハールが就任したクラブは、リーグ最多の優勝回数と最大のファン層を誇るプレミアの“ナンバー1クラブ”だ。しかし、6位トッテナムに5ポイント差をつけられた昨季順位が、ファンハールの引き継いだマンUの現実でもある。

 それだけに、W杯3位で経歴に更に箔が付いた指揮官といえども、マンUの再建というタスクは容易ではない。火急の課題は、総入れ替えが必要とまで言われた最終ラインの再構築。加齢による衰えが明らかだったとはいえ、ネマニャ・ビディッチとリオ・ファーディナンドの両CBが、それぞれインテルとQPRに去ったことで、現状は経験値も激減している状態だ。

 ファンハールの手元にあるCBの駒は、「優勝候補」の守備の要としては心許ないジョニー・エバンスに、右SBとの兼任で伸び悩むクリス・スモーリングとフィル・ジョーンズ。

 獲得候補と噂されるマッツ・フンメルス(ドルトムント)、ステファン・デフライ(フェイエノールト)、トーマス・ベルメーレン(アーセナル)らの中から2名は手に入れたい。

【次ページ】 強力3トップを生かすためにも、3-4-3は最適。

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