ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
横田真一はゴルファー兼大学院生!?
「選手の賞味期限」とセカンドキャリア。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYusuke Nakanishi/AFLO SPORT
posted2014/07/24 10:30
2010年のキヤノンオープンで13年19日ぶりにツアー2勝目を達成。今年は2試合に出場、最高位はつるやオープンの26位タイ。
新たな「中年の星」のあり方を。
「僕が講演会で話をするテーマは、『大事な時に勝つ方法を教えます』ということ。下手くそでも、巡ってきた少ないチャンスをいかにものにするか。選手としてのパフォーマンスが低い僕が、遼くんと谷原と戦って、優勝するためにはどうすべきだったのか。僕には自律神経(の理論)も、4スタンスも必要だった」
「自律神経」でいえば、数年来、毎日自分のデータを蓄えており、ツアー会場を訪れては、プロ仲間の数値を計測させてもらっている。昨年12月に中国で行なわれた試合では、主催者の承諾を得て、石川遼に計測機器を付けてもらい、ラウンド中のデータを取るという臨床実験を行った。「前代未聞だと思いますよ」と横田。他の学者には真似できない、トッププロ上がりだからこそのコネクションを活かした試みである。
「子供に『夢は大きく持て』っていうのが、昔から大嫌いだった。現実的なことの積み重ねがあって、目標につながるから。でも今、僕には『プロゴルフ界初の医学博士になりたい』という夢がある。いずれは、ゴルフ人口を増やす論文も書きたい」
40代を迎えたベテラン選手のコースでの活躍はトレンドのひとつ。だが、熱っぽく語る横田の目は、他の中年の星とはまた違う輝きを放っている。