SCORE CARDBACK NUMBER
爆発的な成長力を誇る、ハーツクライ産駒の大躍進。
~逆境をはね返したGIホース~
posted2014/06/22 10:30
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph by
Yoshifumi Nakahara/AFLO
第81代ダービー馬の栄誉に輝いたワンアンドオンリー(牡3歳、栗東・橋口弘次郎厩舎、父ハーツクライ)は、非常に珍しいタイプの世代ナンバーワン・ホースだ。というのは、2歳夏の小倉芝1800mのデビュー戦は10番人気の12着、続く阪神での未勝利戦では13頭立ての13番人気(単勝260.1倍!)という屈辱的な評価をされた、絵に描いたような劣等生キャリアの持ち主だからだ。グレード制が導入された'84年以降、ダービー馬がその地位に就くまでに2ケタの人気に甘んじたのはサニーブライアン、ディープスカイ、エイシンフラッシュの3頭。しかし、デビュー当初は見向きもされなかったという点で、ワンアンドオンリーの異色ぶりは際立っている。