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チアゴ・シウバが語る母国でのW杯。
「今のブラジルは世界最高ではない」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2014/06/11 10:30

チアゴ・シウバが語る母国でのW杯。「今のブラジルは世界最高ではない」<Number Web> photograph by Getty Images

GKのジュリオ・セザル(中央)と、チアゴ・シウバ、マルセロ(左)、ダビド・ルイス、ダニエウ・アウベスで形作られる守備網はまさに世界最強だ。

「ブラジルサッカーは世界最高というわけじゃない」

――世界のどの国よりもブラジルでは、サッカーはひとつのスポーツの枠を超えているといえますか?

「ああ、僕らの国ではサッカーはほとんどすべてと言ってもいい。国全体を瞬間的に変質させることのできる唯一のスポーツだ。

 僕が親にねだった初めての誕生日のプレゼントがサッカーボールだった。そしてその日以来、僕の生活は常にサッカーボールとともにあった。ブラジルではごく当たり前のことさ。たとえプロ選手になれるほどの才能はなくとも、彼らはサッカーとともに生きている。そこから先は、それぞれの国に固有のサッカーへのかかわり方がある。それは例えばブラジルとフランスとでは異なっているだろう。

 僕がひとつ言いたいのは、ブラジルサッカーは決して世界最高というわけじゃない。でも他のどことも違っている。それはとりわけ歴史の重さに由来するものであり、5度の世界チャンピオンに輝いたことの誇りや、そこから生じる責任の重大さがあるからだ」

「ブラジルの強さは、永遠に才能が生まれること」

――サントスはいつの時代にもクラッキを輩出し続けていますが、スカウトたちはこう言っています。「僕らのサッカーは世界最高ではないが、世界最高の原石を持っている」と。

「全くその通りだ。現実問題として、今のブラジルのプレーは世界最高とはいえない。でもブラジルほど数多くのダイヤの原石を産出している国は他にない。ブラジルの強さはそこにあり、永遠に尽きることなく若い才能が生み出されていく。だからこそブラジルはタレントの宝庫であり続けている。

 その才能は、あらゆるところから生まれている。街角やビーチ、空き地、フットサルのコート……。僕自身も子供のころは、路上を裸足でプレーするのが大好きだった。とても牧歌的な時代だったと思う。今日の僕――チアゴ・シウバは、パリ・サンジェルマンとブラジル代表のキャプテンであり、大きな責任を両肩に背負ってプレーしているけれども」

――セレソンとPSGでは、キャプテンの腕章にどんな違いがありますか?

「全体としてはそう大きな違いはない。どちらも責任はとても重大だ。ひとつだけ言えるとしたら、国全体の圧力がブラジル代表キャプテンにはのしかかってくることだろうな」

<第3回はこちらからどうぞ>

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