Jリーグから世界サッカー市場への「宣戦布告」。

　実は、このインタビューを始める前まではもう少し暗い話になるのではないかと思っていました。ところが中西さんの話から感じられたのは、Jリーグのポジティブな姿勢。つまり、欧州の強大なリーグや今後ブラジルW杯を機に更に強化するであろう南米といった巨大な世界マーケットのうねりに対して、Jリーグはビジネスの面でしっかりと戦っていくんだ、そのためにまずはアジアのマーケットを牽引するパワーハウス（原動力）になるんだ、という明確な意志です。

　Jリーグは戦わずして世界のサッカー市場の“属国”になるようなことはしない、という「宣戦布告」と言い換えることもできるでしょう。今、Jリーグが進めようとしているアジア戦略や2ステージ制といった施策は、世界市場で日本サッカーが生き残るための、まさに「武器」なのです。

（構成：日比野恭三）