青木秀憲の名言 

ドサクサに紛れて勝つ。

青木秀憲(高校野球)

開成高校。毎年日本一の東大合格者を輩出する、言わずと知れた超進学校である。そんな開成にも野球部があるが、こちらは学力と同様とはいかずにかなり弱い。しかも監督の青木は「今年は史上最弱のチーム」とまで言いきる。だが、青木は「野球は弱くても勝てる」を信条とする異色の野球人である。一般的な野球のセオリーは高いレベルで戦力が拮抗するチーム同士の戦いにおいて通用するものにすぎず、戦力が圧倒的に劣る開成がセオリーを真似ても勝ち目はない。だから「我々はギャンブルを仕掛けるんです」という。10点取られることを前提として、1番から強打者を並べて20点を取りにいく。いきなり打線を爆発させて、大量得点し、そのままコールド勝ちを狙う。つまり「ドサクサに紛れて勝つ」。こんな型破りな戦術で、都大会に臨んだ開成だったが……結果は1回戦で城北高校に1-8のコールド負け。机上の理論としては、なかなかイケてるんだけどなあ。

Number834号(2013/08/08)

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