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浦和学院に箕島も散る。
敗者の短くも熱い夏。
~甲子園に刻んだ、それぞれの物語~ 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/08/22 06:00

浦和学院に箕島も散る。敗者の短くも熱い夏。~甲子園に刻んだ、それぞれの物語~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

大会初日、惜しくも日川に敗れた箕島の尾藤強監督。終始穏やかな表情で選手を見つめた。

 第95回全国高校野球選手権記念大会は、3日目の1回戦で優勝候補の浦和学院が敗れるなど、波乱含みの展開となった。相手が強豪・仙台育英とはいえ、選抜優勝投手で抜群の安定感を誇る小島和哉が9つの四死球を与え、11失点で沈没するなど誰が予想できただろう。甲子園には魔物が棲むと言われる所以である。

 29年ぶりに夏の甲子園に姿を現した箕島、その古豪を今年から指揮している尾藤強監督にも注目が集まった。

 '79年に春夏連覇するなど、箕島に黄金時代をもたらした尾藤公・元監督をかつて取材したとき、何度か長男・強氏の話になった。尾藤強は'86年の和歌山大会決勝で敗れたときの箕島のエースである。長い低迷期に入った箕島が久しぶりに選抜大会に出場することになった'91年春、バッティング投手でもいいから甲子園に連れてってくれと強氏に直訴され、公氏は「あいつの中で甲子園はそれほど大きなものだったのか」と初めてその思いの強さを知ったという。

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