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カタールは本当に不正を行ったのか?
'22W杯招致をめぐる仏メディアの告発。 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2013/02/24 08:01

カタールは本当に不正を行ったのか?'22W杯招致をめぐる仏メディアの告発。<Number Web> photograph by Getty Images

2010年12月2日、2022年W杯開催地をめぐる投票が行われ、カタールに決定。写真は、自国での開催決定を喜ぶカタールのハマド首長(左)とブラッターFIFA会長。

関係者が口を閉ざす、フランス大統領官邸での会合。

 2010年10月23日、フランス大統領官邸であるエリゼ宮で、ある秘密会合がおこなわれた。

 ニコラ・サルコジ大統領(当時)が招待したのはカタール皇太子のタミン・ビン・ハマド・アルタニとミッシェル・プラティニUEFA会長、セバスチャン・バザン・コロニーキャピタル(パリ・サンジェルマン=PSGの親会社)代表。

 その席で、赤字に悩むPSGのカタール資本への売却と、独占的にリーグ戦を放映してきたフランスの有料テレビ放送局カナル・プリュスに対抗する新しいテレビ局の設立(アルジャジーラにより新設されたBe In Sport は、放映料として2016年まで毎年1億5000万ユーロをフランス・リーグに支払う)や、その見返りとして、大本命のアメリカを支持していたプラティニがカタールに投票することなどが決められたという。

 関係者が口を閉ざすこの会合の裏には、ワールドカップに向けて10億ユーロの需要が見込まれるという、カタールのインフラ整備に対するフランスの関心があった。また弁護士見習いであったプラティニの息子は、2012年1月に偶然にもカタール・スポーツ・インベストメントに、ヨーロッパ支局のシニア・マネージャーとして就職する。

プラティニが“冬季開催”を繰り返せし主張するのはなぜか――。

 会合自体は認めるものの、それとカタールへの投票は何の関係もないと主張するプラティニは、開催決定後、ことあるごとにカタール大会の冬季開催を繰り返し主張している。

 そこにはカタールW杯を冬に行ない、それを契機に、ヨーロッパのシーズンも、現在の秋春制から春秋制に移行したいUEFAとヨーロッパクラブ協会(カールハインツ・ルンメニゲ会長)の意図がある。しかし、カタールは、夏開催を前提にした投票によって開催権を獲得している。これは規則違反にはならないのか?

 さらにFFは、団結権など基本的人権が認められず、劣悪な労働条件のもとで外国人労働者が働く、カタール社会の非民主性――そうした国でワールドカップを開催することの是非も指摘している。

 はたしてカタール開催は適切なのか。適切でないならば、再投票がおこなわれるべきなのか?

 FFは結論を語らない。ただ、再投票は難しいという関係者のコメントを載せているだけである。

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