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“悲願のW杯16強”も終着点ではない!
日本フットサル、新たな歴史への挑戦。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKyodo News
posted2012/11/08 12:15
リビアを破り、史上初のW杯ベスト16進出を決めた、「サムライ5」ことフットサル日本代表。三浦知良(11番)の加入で一躍注目を浴びたが、ファンの期待に応え、未知なる高みへと快進撃を続けている。
先駆者たちや周囲の支えに思いを馳せる選手たち。
初のW杯ベスト16入りを果たしたミゲル・ロドリゴと彼の仲間たちは、日本フットサル界の歴史にその名を刻むだろう。未知なる高みに到達したからこそ、彼らは周囲の支えに思いを馳せる。感謝の気持ちを抱く。
木暮の言葉がふるっている。
「フットサルという言葉が日の目を見ないときからやってきた人たち、ここに来られなかった選手たち、フットサルをいつも応援してくれている皆さん、本当にたくさんの人の気持ちが集まって、今回の結果につながったんだと思います。日本のフットサル界全体の快挙として、受けとめています」
もちろん、世界の16強も終着点ではない。木暮が続ける。
「ここで満足するグループではない。トーナメントなので、強い気持ちで臨めば上に行けるチャンスはある。新しい歴史をもっと拓くように、1試合でも多く戦いたい」
「ベスト16に行けたら次はベスト8に行きたい」(カズ)
ラウンドオブ16のゲームが行なわれる11日は、木暮の33度目の誕生日だ。チームにも彼自身にも、勝利へのモチベーションがひとつ増える。
カズも新たな意欲を燃やす。フットサル代表入りに際する「最低条件」として、彼はグループステージ突破を自らに課してきた。ささやかな充実感が忍び寄ってもおかしくないが、「勝ち進めば進んだで、もっと上に行きたいよね」と笑顔を輝かせる。「勝負の世界でずっと生きてきた人間なので、ベスト16に行けたら次はベスト8に行きたい。いまはそういう気持ちになってますよ」と気持ちを高ぶらせている。
ラウンドオブ16で対戦するのは、ウクライナかスペインが濃厚だ。ウクライナには10月27日のテストマッチで3-1と勝利しているが、次戦は逸見勝利ラファエルを出場停止で欠く。ドリブル突破を得意とする20歳の欠場で、攻撃の破壊力低下は避けられそうもない。
次戦までの3日間でチームの一体感をさらに磨きあげ、これまで同様に個々が自らの役割を果たすことで、勝機をひろげたい。ここから先は、勝ちたいという気持ちの総和が勝敗を大きく左右する。