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いよいよ明日、フットサルW杯開幕!
日本はどういう相手とどう戦うのか?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byDaiju Kitamura/AFLO SPORT
posted2012/10/31 10:31
「フットサルの歴史、扉を開くためにもグループステージを突破することは大事。少しでも上に行けるように、まずはブラジル戦に勝つこと」とW杯での目標を語ったカズ。
奇しくも、カズが出場できなかった1998年のフランスW杯を思い起こさせる。11月1日に開幕が迫った、フットサルW杯(11月1~18日/タイ)の組み合わせである。
フットサルで世界王者に4度輝いているブラジルは、サッカー日本代表が14年前に対戦したアルゼンチンに相当する。優勝候補にあげられるグループ最大の強豪だ。
2010年のフットサル欧州選手権で準優勝したポルトガルは、フランスW杯で3位入賞したクロアチアに似た存在と言える。
リビアは2大会連続2度目の出場で、前回大会では日本と同じくグループステージで敗退した。しかし、チームを率いるのはミゲル・ロドリゴ日本代表監督の同胞パブロ・プリエトだ。ブラジル人のレネ・シモンエスが指揮した'98年W杯のジャマイカのように、格下と見なしたら足元をすくわれる。
日本代表は、ブラジルとの10月24日の親善試合で、3対3の引き分けを演じた。
ただ、代々木第一体育館に登場したブラジルは、マルコス・ソラト監督曰く四つの苦しみを抱えていた。
「移動の疲れがあり、時差ボケが解消されておらず、2日前にハードな練習試合をしており、シーズンが終わったばかりで身体がフィットしていない」という状態である。国民的英雄ファルカンも、コートに立っていない。
ブラジルと引き分けた親善試合には、決して満足していない。
ブラジル相手のドローは、日本の選手も客観的に受け止めている。
カズと同じく国際Aマッチデビューを飾った森岡薫は、「結果に満足? どうですかね……本番に向けて手応えがあるぐらいでしょう」と、固い表情を崩さなかった。
ラウンド16に無条件で進出できるふたつの枠のひとつは、ブラジルが予約済みと考えるのが妥当である。
ポルトガルも日本を上回る実力国だ。
昨年3月に日本はアウェイで親善試合を戦い、1対6、2対3で敗れている。ロドリゴ監督は接戦を演じた2試合目を評価しているが、それでも勝利をつかめないところに歴然とした力の差が横たわる。彼らもまた、2位以内に限りなく近い位置にいるのは間違いない。