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デビューから2年8カ月。
苦労人が作った“大記録”。
~全日本プロレス・中之上靖文~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2012/10/15 06:00

デビューから2年8カ月。苦労人が作った“大記録”。~全日本プロレス・中之上靖文~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

元3冠ヘビー級王者で同期入団でもある浜亮太から初勝利をもぎ取った中之上。その後、一気に2連勝を飾っている。

 全日本で、川田利明の1年3カ月、越中詩郎の1年11カ月を大幅に更新する、デビュー2年8カ月にして初勝利という稀な“大記録”が生まれた。筆者の知る限り、60年の歴史の中で、日本のプロレスが始まって以来の珍事件だ。

 9月8日、東京・後楽園ホール。GAORA TVチャンピオン初代王者決定トーナメント1回戦で、200kgの巨漢・浜亮太を6分21秒、横入り式エビ固めで破った中之上靖文である。

 浜のコーナースプラッシュをかわし、丸め込んで勝った中之上。「今まで後輩に負けていたのが悔しかった。見返してやろう、という思いはずっとありました」というコメントに、入団して4年半の辛抱と我慢の想いが総て込められている。

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