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石川遼の独走にストップをかける!
「旧世代ゴルファー」の逆襲。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO

posted2010/05/29 08:00

石川遼の独走にストップをかける!「旧世代ゴルファー」の逆襲。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

5月に自身3回目のメジャー制覇を成し遂げた谷口徹。ちなみに……ゴルフ部に在籍していたPL学園時代は、桑田真澄と清原和博のクラスメイトだったそう。ふたりは現役引退したが、谷口はまだまだ日本のトップ選手として活躍中だ

谷口徹も飛距離へのこだわりを見せ始めた。

 飛ばしへのこだわりを見せ始めたのは谷口も同じだ。

「日本はコースが狭いし、ここ何年かは思い切り振る必要がなくてコントロールばかり身についちゃった。だから、今年は多少曲がってもアグレッシブにいこうと思ってますよ」

 若手選手をいつも辛口トークでばっさり斬り捨て「まだ負けてないと思っている」と強気の姿勢を崩さないものの、石川については「一目を置くも何も和合で58を出すとかやることがえげつない」と素直に力を認めている。中日クラウンズ最終日で石川の出した58は、狭く短いコースを果敢にドライバーで攻めまくり、ウエッジでの2打目をびしびしと寄せていった結果。谷口にとってもこのスコアは驚き以外の何物でもなく、「あれを見て僕もドライバーをガンガン振ってサンドウエッジで乗せて和合を攻めないとなと思いましたよ」と冗談めかして言うほどだった。

 本気でそんな作戦を実行するのかは別にして、中日クラウンズの次の試合となった日本プロでは普段は平均飛距離部門で60位前後の谷口が290ヤード以上の数字をマークして21位となっていた。石川に触発されたのは確かだったのである。シャフトのマッチングなどドライバーの改良にも余念はなく、藤田のように長尺化による飛距離アップももくろんでいるという。

2年連続賞金王を阻む「旧世代」の壁を乗り越えられるか?

 藤田は石川のことを「次世代型のゴルファー」と評したが、10代のニュースターにたきつけられた旧世代のゴルファーもなんら劣ってはいないことをシーズン序盤の戦いは証明している。ファンにとっても見応えのある世代闘争は歓迎すべきことである。

 早々と今季初優勝を挙げて順風満帆に見える石川だが、ベテラン選手の充実ぶりを見る限り、2年連続賞金王に向けての道のりは昨年以上に険しいものになるだろう。しかし、彼らに火をつけたのは他ならぬ石川自身。ならば、屈強さを増した彼らを乗り越えていくのも石川が背負うべきテーマである。

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