野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
栗原ケガでカープに4番問題勃発。
帯に短しタスキに短しで解決策は?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/06/26 10:30
2008年には右肘のクリーニング手術(遊離軟骨除去)をしており、2010年には死球で右手首を骨折。今回も右肘の故障とされ、手術に踏み切ったのだが……。
今年のプロ野球界は全体的に4番不足気味だ。開幕戦から4番打者を代えずに固定できている球団は“中田心中”を謳う日本ハムと、イ・デホのオリックスのみ。その他のチームの4番打者は、不調なりケガなりで苦戦を強いられているのだが、その中でも特に深刻な4番不足に陥っているのがカープだ。
本職の4番・栗原健太は右肘の手術で開幕早々に離脱。代わって4番に座ったニックは、阪神戦で打ち直し本塁打を含む3打席連続を放つなど「打率のいいランスになるやも」、と期待を抱かせたところで11日に左膝を負傷。前十字靱帯損傷、内側半月板損傷と診断され手術のために無念の帰国となってしまった。
統一球により、ただでさえ貴重になりつつある長距離砲が離脱してしまった打線。今季これまで本塁打を打っている打者を見渡せば、上から、堂林(6本)、梵(5本)、天谷(3本)、岩本、廣瀬、赤松、丸(2本)と誰を置いても帯に短しタスキにも短し。
4番に据えるべきは潜在能力の岩本か、期待の堂林か!?
ペナントの最中にポッカリ空いた4番の穴。そこにベテランを使うか、中堅・若手を起用するのか、はたまた他所から新戦力を獲ってくるのか。その問いに野村謙二郎監督が出したひとまずの答えは、栗原の代わりに昇格していた岩本の4番起用だった。
「しょうがない。ポテンシャルで考えれば現時点では岩本しかいないと思う」(30代・大木さん)
「一昨年ブレイクしかけましたけど、昨年はケガと不調であっという間に存在感をなくしていた岩本がここで4番になったのは不幸中の幸い。栗原がいない間に結果を残して次代の4番として育ってほしい」(40代・女性)
2年前にノーステップ打法でのブレイクで長距離砲誕生を予感させた岩本。13日から4番に座ると、起用された4試合(21日現在)でまずまずの成績。
一方で、不調を脱出し「4番を打って欲しい」との声が日増しに高まっている若手野手がいる。鯉のプリンスこと堂林翔太だ。
「正直言って、まだ早いというのはわかっているんですけど、将来的には中軸を打たなきゃならない選手。一時は調子を崩しましたけど、最近の打撃を見ていると、この機会に試してみてはどうか、という気にさせてくれる」(20代・杉本さん)
「今年はケガ人だらけで半ば諦めているので、どうせならカープの未来を背負う堂林くんに4番を打ってほしい」(30代・女性)