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<下山直後の緊急インタビュー> 竹内洋岳 「14座制覇の瞬間、僕は思った」 

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byKenro Nakajima

posted2012/06/21 06:01

<下山直後の緊急インタビュー> 竹内洋岳 「14座制覇の瞬間、僕は思った」<Number Web> photograph by Kenro Nakajima

14座を登っただけで山の神髄を究めたとは思えない。

――そんなに早く次の山に関心が移っちゃうんですか。なんだか、もったいない。

竹内 ハハハッ。でも、いつもそうなんですよ。たとえば一生に一度の記念でエベレストに登るとかだと喜びのピークがあるのかもしれないですけど、私はやっぱり毎年のように登山を続けてきて、好きな山をどれだけ続けていけるかということを考えてますので。

 14座というのは確かに山田昇さん('88年秋の時点で9座の頂に立った日本を代表する超高所登山家)を始め、偉大な先人たちが綿々と受け継いできてくれた魂の系譜で、それを結びつけられたことは本当に嬉しいし、誇りに思うんですけど、一方でこれだけ無数に山があって、14座を登っただけでとても山の神髄を究めたとは思えないわけですね。まだまだ他にも登りたい山はたくさんありますし、登った山でも別のルートから登ってみたい。だから爆発的な喜びや達成感を、あまり感じられないのかもしれません。

ビバーク中、地吹雪のような風が吹くと、「バカヤロー!」って。

 14座の頂は、宇宙に近い。

 標高が8000mを超えると、酸素は平地の3分の1ほど。雪崩や強風、寒さによる低体温化など、試練は次々に襲ってくる。

 竹内の登山スタイルは、酸素ボンベやシェルパの力に頼らない速攻登山。生身で生きて還る能力こそが、試される世界だ。

――下山時、大きな試練に直面しました。途中で日が沈み、C3(最終キャンプ)へのルートを見失ったと聞いています。

竹内 天気は良かったんですけど、風が強くて。予想以上に登頂までに時間がかかってしまいました。予定では14時に着くはずが、実際に頂上に立ったのは17時半でした。

――水なし、テントなし。酸素ボンベもない。それでも7536m地点でのビバークを選択しましたね。

竹内 ビバークというと、冬眠中の熊のようにじっとしているイメージがあるんですけど、そこは吹きっさらしの岩の上で、寒くてですね、じっとなんてしてられないんですよ。腰を下ろしてウトウトしても、パッと目が覚めて。体をさすったり、また少し歩いて別の場所を探したりと、休むというよりは明るくなるのをひたすら待っている状況でした。たまに地吹雪のような風が吹くと、「バカヤロー!」って。ハハハハッ。叫んでましたね。

水も酸素ボンベもないなかでビバークを選択した理由。ベースキャンプを楽しくする工夫。これからの目標、そして、竹内さんにとっての「いい山登り」とは?
つづきは、Number Do『大人の山登り。~ゼロから楽しむ入門編~』、もしくはNumberモバイルでお読みください。
大人の山登り。~ゼロから楽しむ入門編~

Sports Graphic Number Do 2012 Summer

大人の山登り。
~ゼロから楽しむ入門編~

 

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