野ボール横丁BACK NUMBER
破格の“人間力”で投げ続ける山本昌。
彼が必要とされる日は、きっと来る。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/06/18 11:45
今季、二軍に落ちるまでは9試合に登板して防御率3.12の2勝1敗だった山本昌。4月に2勝した後、5月は勝ち星に恵まれていなかった。6月に入って、二軍での投球は好調のようで、「復帰は交流戦後になるかなと思う。いつ呼ばれてもいいように準備しています」と語っている。
山本昌に「賭けたくなるとき」がきっと来る。
先日、山本昌の日大藤沢高校時代の先輩、荒井直樹に会う機会があった。
山本昌の1つ上の先輩で、現在は前橋育英の監督を務めている。
「昔からそうだけど、あいつのこと悪く言うやつ、聞いたことない。だから、ここまでできたんだと思うよ」
普通であれば「それよりも技術でしょう」と言いたいところだが、山本昌の場合は、もちろん力を持っていることが大前提ではあるものの、そんな話にも首肯せざるを得ない。彼のような人材を、チームもそう簡単には手放さないだろう。
現在は、まだファームで調整中だが、山本昌の力が必要になる時期が必ずくる。いや、山本昌に「賭けたくなるとき」と言った方がより正確かもしれない。