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田中将大のリタイアで黄信号点滅!
東北楽天・塩見貴洋にかかる重圧。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/05/01 10:30
今季2勝目となった4月24日の対オリックス戦での塩見貴洋投手。「前回(18日の対ロッテ戦)、ふがいないピッチングをしていたので、今日は気合を入れて投げました」と試合後に熱いコメントを残した。
田中、下柳が抜けた穴を埋める重責を塩見は担う。
4月22日、エース田中将大が腰の張りを訴えて出場選手登録を外れた。
これが思ったよりも長引きそうな気配で、さらに開幕から先発ローテーションを担っていた43歳のベテラン下柳剛が4試合未勝利の結果をうけて26日に登録を抹消。その間、塩見はチームの屋台骨としての重責を担うこととなる。
開幕を2日後に控えた3月28日、塩見はチームメイトらと共に宮城県名取市内の小学校に被災地訪問を行った。
「まだまだ復興出来ていないところが沢山ありますし、その中で僕らも色んな場面を目の当たりにしてきました。昨年はリーグ5位だったんですけど、今年はなんとか東北のみんなを喜ばせるような、チームの成績だったり、自分の成績だったりを残して、みんなを勇気付けられたらなとか、笑顔になってほしいなって想いなんです。今年一年強い気持ちをもって野球をやっていきたいです」
それは自身に対して言い聞かせた言葉であり、東北のファンへのメッセージにもなっていた。星野が求める崇高な域まで、果たして塩見はたどり着くことが出来るのだろうか。