日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
ザックは今、“何”を探している!?
石川直宏に続き宮市亮を呼んだ意味。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/02/27 12:20
「彼(宮市)はA代表でプレーするチャンスはある」と語ったザッケローニ。これまでも、宇佐美貴史、久保裕也、柴崎岳ら10代の選手を招集してきたが、宮市への期待度は1ランク違うものを感じさせる
宮市亮の招集から見えるザッケローニ監督の意図。
アイスランド戦後、2月29日に行なわれるブラジルW杯アジア地区3次予選ウズベキスタン戦(豊田スタジアム)のメンバーが発表された。石川の名前はなかったが、ザッケローニは同じスピードタイプとしてボルトンで評価を高めている19歳の宮市亮を初めて招集した。
「ここ数日は国内組を重点的に見ることができたので、今度は入ってくる海外組を見たいというのはある。宮市にはスピードがあり、映像を見る限り持久力にも優れているという印象を受けている。タイプ的にはやはりサイドで活きる選手なのではないか」
アイスランド戦における石川たちのパフォーマンスにかかわらず、指揮官は元よりこのタイミングで宮市を招集する希望を伝えていたとも聞く。スピードタイプのジョーカー探しに本腰を入れ始めている証拠だ。
ウズベキスタン戦では、宮市のスピードが活きてくる!?
宮市は右利きながら、ボルトンでも左サイドで使われている。25日、アウェーのチェルシー戦では、ハーフウェーライン付近から一気に加速して2人のDFを抜き去りゴール前にクロスを送るなど、スピードに乗った縦への突破力が何よりの魅力。まさにザッケローニが描く“勝負どころ”のイメージに沿っている。
相手のウズベキスタンには昨年9月のアウェー戦で引き分けているが、彼らは後半に入って失速した。ディフェンスもボールホルダーに対して食いつきやすい傾向にあり、宮市のスピードが活きてきそうな予感はある。
既に両チームとも3次予選突破を決めており、この一戦は“消化試合”に近い。しかしザッケローニはあくまで1位突破にこだわっている。
持論は「いかなる試合でも勝利に向かってベストを尽くすことでチームは成長する」。指揮官が「重要」と位置づける試合で宮市が活躍できれば、今後、代表に定着してくる可能性が高くなる。
宮市亮、衝撃のジョーカーデビューとなるか――。