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青木真也の“全米デビュー”が担う、
日本格闘技界の浮沈。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph bySusumu Nagao

posted2010/04/14 10:30

青木真也の“全米デビュー”が担う、日本格闘技界の浮沈。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

「普通にやって普通に極めます」と豪語している青木。対戦相手のメレンデスはこのタイトル初防衛戦となる

 DREAMライト級王者の青木真也が“全米デビュー”を果たすことになった。

 青木が出場するのは、4月17日にテネシー州ナッシュビルで開催される『ストライクフォース』。同団体のライト級王者ギルバート・メレンデスに挑むライト級タイトルマッチだ。この大会はアメリカ4大ネットワークの一つ、CBSでの生中継が決定している。

 ケーブルテレビが発達しているアメリカだが、やはり最も影響力が大きいのは地上波放送。分かりやすく表現すれば、『サバイバー』や『CSI』と同じ局で、日本人アスリートの試合が中継されるということだ。

 PRIDEの活動休止以降、格闘技人気が低迷していると言われるが、それはあくまで日本だけの現象である。アメリカではUFCが大ブレイクし、PPV視聴者数が急激に上昇。近年はイギリスやドイツ、オーストラリアにも進出している。世界的に見れば、MMAは隆盛を極めていると言っていい。UFCの対抗馬的イベントであるストライクフォースがCBSで中継されるのも、その盛り上がりを受けてのことだ。青木は“史上最大の格闘技ブーム”のただ中に飛び込むのである。

日本の団体を背負っての闘いが意味するもの。

「アメリカのマーケットに太刀打ちできるのは、僕しかいない」

 参戦発表記者会見で、青木はそう語っている。彼はDREAM旗揚げ以降、J.Z.カルバンやエディ・アルバレス、ヨアキム・ハンセンといった世界トップクラスのファイターに勝利。その実力は世界中の格闘技ファンから高い評価を受け、海外の格闘技メディアの多くは彼をB.J.ペン(UFCライト級王者)に次ぐ世界2位にランクしている。かつてのブームが過ぎ去り、新たなブームから取り残された日本で、青木だけは世界と向き合い、結果を残し続けてきた。

 見逃してはいけないのは、彼がUFCと契約した五味隆典や秋山成勲のようにアメリカの団体に移籍するのではなく、DREAM所属選手としてストライクフォースに乗り込むということだ。日本の格闘技団体、より大きく捉えるなら日本の格闘技界を背負って闘うのである。野球にたとえるならメジャー球団入りではなくWBC。「DREAMを世界のトッププロモーションにするために、生半可な気持ちじゃ闘わない」という青木は、さらにこう付け加えた。「挑戦するんじゃなく、勝負しに行くんです」。

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