青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
石川遼も絶賛する米国の“飛ばし屋”、
B・ワトソンとの一騎打ちはなるか!?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2012/01/04 10:30
昨年のプレジデンツ・カップでの石川遼とババ・ワトソン。お互いに飛ばし屋を自認するだけあって、ドライバーショットでは会場が大いに沸いたという
300ヤードを楽々飛ばすレフティーは「見ていて面白い」。
「たとえばピンがグリーンの右端に切ってあるホール、ストレートに打っていく選手だとあまりグリーンの奥行きを長く使えない。でもババ・ワトソンなら左から右に真横に曲げる感じでグリーンをすごく長く使える。そういう難しいショットを打ってるんで、見ていて面白いと思う」
33歳のワトソンは米ツアーの平均飛距離部門で3年連続2位になっているほどのパワーヒッター、そしてレフティーでもある。「フィル・ミケルソンとババ・ワトソンのどちらが2012年はたくさん勝つか」という米ツアーのアンケートでは多くのファンがワトソンを支持。メジャーでもたびたび優勝候補に推されるようになっており、米ツアー勝利数はまだ3勝ながら現時点での最強レフティーともいえる選手だ。
体を振り絞ったオーバースイングから放たれるドライバーショットはゆうに300ヤードを超え、米ツアーにおいても規格外といえるほどの飛距離を、狭いコースの中に折りたたむようにして打っていく。だからこそ、石川が言うような右へ左へと大きく曲げるショットが使っていけるのである。
「ミケルソンのアプローチとかもいいよね。ルークのパットはうまいけど、世界No.1ならあれぐらい当たり前かなぁ。ウェストウッドはメジャーに一番近い選手だと思うけど……」
あれこれと考えてもババ・ワトソン以上に、見て楽しい選手は思い浮かばないようだ。
昨年38位の石川だったが今年はランク圏外に転落。
その石川自身は前述のランキングで100人の中にも選ばれなかった。昨年は38位にランクインしていたことを考えれば、米ツアーでの注目度、期待度は大きく下がったことになる。
昨年の春頃には、どの若手選手のプレーを見たいかと聞かれたタイガー・ウッズが「リョウのプレーが見たい。パットのストロークがとてもピュアだし、ゴルフ場の外でもとてもうまく振る舞っているから」と言い、ミケルソンも同じ質問に「20代前半までの選手ならリョウとマキロイがベストプレーヤー」と答えていた。
米ツアーのシード権獲得も狙う今シーズン、石川は彼らが期待したような存在感をどこまで示し、取り戻せるだろうか。まずは1月に出場予定の米ツアー2試合が試金石になる。
2012年の幕開けからワトソンとの優勝争いなるか!?
「2012年が始まってすぐに試合があるので、そこでばっちりピークをもっていけるように年末年始をしっかり過ごしたい。その試合で上位に入ること、優勝争いをすることが今年の最初の目標です」
石川が出場する1月26日開幕のファーマーズ・インシュアランス・オープンのディフェンディング・チャンピオンはババ・ワトソンである。再びワトソンとマッチアップし、2人で優勝争いを演じるようなことができれば、日本のファンは二重の喜びと面白さを味わえるはずである。