青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
母のごとき愛情で石川遼を支える、
“メロン軍団”の女性ファンに密着!
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph bySankei/Getty Images
posted2011/12/22 10:30
11月に行なわれた三井住友VISA太平洋マスターズの17番ホール。ホールインワンを決めた石川は、メロン軍団をはじめ、多くのギャラリーから万雷の拍手を浴びた
トーナメント会場に来て石川遼のラウンドについて歩くと、あることに気がつくはずだ。やけに薄緑色のグッズをもったギャラリーが多いな、と。
それは薄緑ではなく、メロン色。石川遼の公式ファンクラブ「R∞F(ルーフ)」の会員の証である。
ゴルファーとしては極めてめずらしい公式ファンクラブ発足のきっかけは、石川の父・勝美さんの発案だった。高校1年生で勢い込んでプロ転向したものの、しばらくはそれほどいい成績も挙がらないだろう、果たしてどれだけのギャラリーがついてくれるものか。だったらファンクラブをつくって年会費をもらいつつ、継続的に応援してくれる固定ファンを増やそうと考えたのである。
しかし、勝美さんの心配は杞憂に終わった。石川はどこに行っても大勢のギャラリーに囲まれ、いい成績が挙がらないどころか驚くほどの成長曲線を描いていった。本来の企図とは少し違う状況になったものの、石川のゴルフに魅力を感じてファンクラブに加わってくれる人もそれはそれできちんと存在した。
約4000人の“メロン軍団”が石川のゴルフを支える。
予想以上に多くて驚かされたのだが、現在の会員数は約4000人で安定しているのだという。この会員に毎年配られるのがメロン色のグッズであり、初年度の'08年がサンバイザー、'09年はスポーツバッグ、'10年はハンチング帽、'11年はベルト。それらのアイテムを身につけているため、ファンクラブの面々はメロン軍団とも呼ばれることもあるのである。
主な会員層は、これは予想通りというべきか、30代後半から40代以上の女性たちだ。親子ほどに年の離れた彼女たち。一体、石川遼のどこに魅力を感じてるんですか?
「まあ、はっきり言って、ぜんっぜん恋愛対象じゃない。違うのよ」
とあるトーナメント会場で話を聞かせてくれたのは、アマチュア時代から石川を追いかけ、主に関東の試合に足を運ぶというベテラン・メロン(そんな言い方があるかは知らないが)の高橋さんと田中さんのお二人である(名前は仮名)。年齢も石川ファンクラブのど真ん中だ。
二人とも'07年マンシングウェアKSBカップで高校1年生の石川が優勝するまでは、もちろんその存在を知りもしなかった。