青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
母のごとき愛情で石川遼を支える、
“メロン軍団”の女性ファンに密着!
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph bySankei/Getty Images
posted2011/12/22 10:30
11月に行なわれた三井住友VISA太平洋マスターズの17番ホール。ホールインワンを決めた石川は、メロン軍団をはじめ、多くのギャラリーから万雷の拍手を浴びた
特別扱いされなくてもいい。遠くから見守るだけで……。
女子ツアーの会場でもおそろいのTシャツを着込んだ私設応援団のようなファンをよく見かける。選手にもよるが、彼らは直接おみやげを手渡したり、ラウンド後に選手と談笑していることだってある。
それに比べて石川遼ファンクラブは公式の組織であるにもかかわらず、定例のイベントといえば1年に1回のファンの集いがあるぐらい。ツアー会場では会員だからといって特別扱いをしてもらってる場面は見たことがない。石川が何かよくしてくれるということもないように思えるのだが……。
田中 「ないないない! むしろ避けられてるんじゃないの(笑)。やっぱり遼くんは私たちの顔も分かってるからね」
高橋 「本当に最初の頃は遼くんもファンの人がついてうれしかったと思うんだけど、今はファンの数や騒ぎが普通じゃないし、やっぱり警備をつけなきゃいけない状況になってしまっている。遼くんの身の危険を感じるから、こっちもそれは仕方ないと思うし、そうしてでも守ってほしいと思う。遼くんもそれは本意ではないのかもしれないけど、ねぇ……」
石川を追ううち、池田勇太や近藤共弘のファンになることも。
石川の置かれた立場を理解し、現実を受け入れる。
サインをもらいに突進することや写真をねだって腕をつかむようなこともない。恋が盲目であるならば、彼女たちのそれはやはり恋ではなく、母親のような愛情なのかもしれない。
なかには石川を追いかけて会場に来ているうちに、ぶっきらぼうに見えて優しい池田勇太やヤサ男風な近藤共弘に乗り替える人もいるという。それもそれで正しいファンのあり方だろうし、そうした面で石川が他の選手に自らの人気を還元している部分も確実にあるのだ。
もちろんファンである以上、達観ばかりではいられない。時には少女のような淡い空想を抱くことだってある。
高橋さんは遼ファンになってからゴルフを始めた。以前からゴルフをやっていたという田中さんら周囲のメンバーも熱心に練習に励んでいる。それはなぜか。