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松井秀喜不在のヤンキースのその後。
新たな救世主の名はグランダーソン。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2010/03/30 10:30

松井秀喜不在のヤンキースのその後。新たな救世主の名はグランダーソン。<Number Web> photograph by Getty Images

2007年にはデトロイト・タイガースで「20盗塁・20二塁打・20三塁打・20本塁打」という偉業を、メジャー史上3人目として達成しているグランダーソン。走攻守の三拍子が揃った万能選手である

グランダーソンはヤンキースの全ての問題を解決した。

 昨季、松井とデーモンの年俸は13,000,000ドル(約11.7億円)で、これはかなりの高コストになっていた。キャッシュマンとしては、このふたりに関して、減額した上での単年契約しか考えていなかっただろう。

 松井は早めにヤンキースの態度を見切ってエンジェルスと契約したが(賢い動きだ)、デーモン側はヤンキースに拘泥したため、結局はグランダーソンの古巣、タイガースと不利な条件で契約せざるを得なかった。

 このふたりに比べて、グランダーソンは相当、おトクな買い物なのだ。

 もともとタイガースが結んでいたグランダーソンの2010年の契約は5,500,000(約5億円)ドルにしか過ぎない。

 グランダーソンをトレードで獲得する過程で、ヤンキースはマイナーの選手を放出することになったが、今季に限って言えばかなりのコストカットにつながった。

 グランダーソンはエイジングが進んだ外野の若返りと、コストカットというヤンキースが抱えていた課題を一気に解決する「救世主」だったのである。

シーズン序盤でのグランダーソンの処遇に注目だ!

 グランダーソンがニューヨークで歓迎される理由はこうしたことなのだが、とにかく4月に開幕したら、どんな扱いが待っているか分からない。なにせ、ニューヨークですから。

 グランダーソンの魅力は守備の他にも、パワーがあることで、昨季は30本塁打を打っている。しかし打率は2割4分9厘。もしも、グランダーソンの打率が上がってこない場合、ニューヨークのメディアが騒ぎ立てることは火を見るより明らかだ。

 そうなった場合、どうなるか。

「やっぱり松井がよかったじゃないか!」

 という声が出てくるに違いない。

 まあ、そうなったらそうなったで、私としてはうれしいのだけれど。

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