格闘技の経験で、横浜時代よりも野球が上手くなった!?

　現役時代の言動から確実にいい方向への変化がみられる。

　だが、3日しないと勘をなくすとも言われている野球界での1年半のブランク。そして格闘家としての肉体改造はプレーにどこまで影響しているのか。

　そしてどうしても気になるのは、第一報のニュース記事にあった、野球関係者による「格闘技を経験したことで、柔軟性や体のバランスが格段によくなった。過去のプレー映像と比較しても、本塁打を量産した横浜時代より攻守ともに技術力が上がっている」という水島新司先生じゃないかと思うようなマンガなコメント。

　ホントなのか、これは。

「動きはもう全盛期に近いぐらいまでに戻っています。いい感覚です……というか、内野の頭上ぐらいの低い打球がそのままセンターフェンスに直撃したり、以前の打球とは明らかに違う自分でも信じられない打球が飛ぶんですよ。総合のトレーニングが影響しているのかはわかりませんが、固かった動きも腹筋を鍛えて股関節が柔らかくなったことで改善されました。それと、腕は力があるけど下半身が使えないというように、ずっと力の伝え方がヘタクソだったんですが、寝技を練習したことで、力の伝え方、逃がし方など、体の使い方がやっと理解できたような気がするんです」

　一体、どこの世界の野球の話をしているのかわからなくなってしまうが、古木なら、それでも古木なら大真面目に才能を開花させてしまうかもしれないという期待を抱いてしまうのは筆者だけではないはずだ。

「『これでよく野球ができたね』って驚かれ」目を治したって……。

　更に古木はとんでもないことを言い出す。

「それと今は打席で変化球にも自然についていけるし、見送り方が全然違うんですよ。目を治したんで」

　目？

　ベイスターズ時代、キャッチャーからサードの胸元への送球をかすりもせずに逸らすようなとんでもない珍プレーを繰り返す古木に、多くの関係者は「古木は目が悪いからあんなプレーをするのではないか」と疑いをかけていたのだが……なぜ今頃になって。

「これまで精密な検査をしたことがなかったんですよ。それで今回、はじめて精密検査をしたら僕の眼は片方の涙量がゼロというひどいドライアイだったんです。医師の方も『これでよく野球ができたね』って驚かれて、すぐに処置をしたんですが」

　で、その後の調子はどうなんでしょう？

「見えますね……。打席でも守備でも、突然かすんだり、距離感がいきなりおかしくなったりすることがなくなりました」

　こんな時、なんて言えばいいのだろうか。

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