野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
「オレには野球しかない!!」
古木克明、球界再挑戦の真相を告白。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKatsuaki Furuki
posted2011/10/13 12:15
千葉県・君津にある市民球団「かずさマジック」の下で練習に励む古木克明。かずさマジックは、新日鐵君津硬式野球部の流れを継ぐ名門社会人チームである
すべては11月24日に行われるトライアウトで決まる!
多分、圧倒的に理解不能な状況に直面した時、人はこの愛憎の念に満ちた言葉を使うしかないのだろう。
「古木、あーっと!」
この常識外の魅力とヤキモキを併せ持つ野球選手を形容するにはその言葉しか見当たらない。
確信する。
古木に関しては1年ぶり23回目ぐらいの妄信ともいえるが、確信してしまう。
古木は間違いなく何かを持っている。
でもそれはイチローや斎藤佑樹が持っているものとは違う何かだ。それが持つ吸引力は引退して2年がたった今も一部の人を否応なく吸い寄せている。それは、スタンドにいるファンの背中が、ネット上にその名が新たに書き加えられているという事実が、いまも証明してくれている。
今年で31歳。見られる夢はまだまだある。
「必ず合格してプロ野球の世界に戻れると思っているんです。本当に、もう一回ホームランを打ちたいですし、ホームランを打つシーンしか思い浮かばないんですよ」
すべては11月24日。古巣の神戸で行われる一発勝負の12球団合同トライアウトで決まる。
結果は野球の神のみぞ知る。だが、わかっていることが一つだけある。
こんな男がいるプロ野球界は、絶対に面白い。