4年の歩みが凝縮されたバンクーバーではあったが……。

　そこにあるのは、私はもっとやれたはず、やれる、という思いではなかったか。集大成となるはずの、心から納得のいく演技にはいたらなかったのではなかったか。思うように結果の出なかった悔しさも、もしかしたらあったかもしれない。

　落ち着いた態度ですべてを受け止める姿勢、安定感のある演技によって、トリノよりもひとまわり成長した姿を示した。

　一方で、自分に満足しきれないでいる、完全燃焼しきれなかった姿もあった。

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　トリノ五輪から、確実に安藤は成長した。そこには、この4年の歩みが表れていた。

　そしてこれからも歩んでいくという予感。

　それがバンクーバーでの安藤美姫だった。