北京五輪的日報BACK NUMBER
跳水女皇の笑顔。
text by
竹田直弘Naohiro Takeda
posted2008/08/12 00:00
10日のメインイベントは、内柴でもオグシオでもない。3mシンクロナイズド板飛び込みに登場する“女王”郭晶晶である(自分のなかでは)。
容姿、実力、そして名前の響き、すべてがパーフェクト。淑女風に見えるが、記者会見でライバルを聞かれて「カナダのデブ」と言ったり、香港人実業家との熱愛が発覚したりと、女王様的エピソードも豊富。現代のセレブリティに必要とされる要素をすべて満たしてる。
中国13億人の期待を背負い、この痩身の女性がいかなる決意で競技に挑むのか……ということはともかくとして、ひとめ見たかった。単純に。その姿を。
競技のほうは、あっさりと金メダル獲得。個人でも金メダルを争うはずの呉敏霞とペアを組んでいるのだから、大差の勝利も当然だ。
で、ミックスゾーン。当然、中国メディアでごったがえしてる。でも、中国人記者たちは思ったより積極的ではない。もっとガンガン質問を連発するかと思ったら、女王の威光か、ちょっと聞いて「あ、もういいです」という感じだった。
そんな遠慮深い中国人の間隙をついて前のほうに行くと、なぜかヂンヂン、僕の目の前にやってきた(写真)。思いっきり見つめていたからだろうか。なんとか英語で「プレッシャーはあった?」と聞いてみる(こっちのほうがプレッシャーに押しつぶされそうだったが)。すると笑顔で「No」と答えるヂンヂン。ヂンヂンの生声!
でも、そこからはずーっと中国語だった。中国人記者に聞いたら、英語はあまり得意ではないそうだ。残念。
まあ一応、今大会最大のヒロインと接触できたということで満足の北京5日目。空気の悪さはもう慣れた。