青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
石川遼と池田勇太を徹底比較!
史上最年少賞金王を巡る熾烈な戦い。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKYODO
posted2009/11/13 10:30
ともに十代前半から“天才”と賞された。これから10年以上にわたって名勝負を繰り広げるだろうライバルになるはず
右手の痛みに苦しむ池田。対する石川の体調は万全。
ひとつ気がかりなのは池田の右手の状態だ。
10月頃から「原因不明」の痛みが出て、毎試合テーピングをして臨んでいる。これから寒さが増していけば痛みも大きくなる。試合出場そのものにも慎重にならざるを得ないほどの状態にあるのだ。
賞金王争いへの意欲を聞かれて、「賞金王になったって来年出られなくなったら意味ないでしょ」と口をとがらせた姿には、池田の不安と苛立ちが透けて見えた。
また、池田は最後の4試合のうち3試合が初出場になる。すべての試合が2回目以上となる石川とはコースの習熟度において差があることは否めない。
石川に不安材料があるとすれば、8月の全米プロから最終戦まで17週連続出場になるということだが、大事にケアを続けてきたことで「体は今すごく充実してます」と元気そのものといった様子。
「ここまできたら1位を狙いたい気持ちもありますね。意識してはいけないものではないと思うんですよ。意識することでゴルフがよくなることもあるかもしれない」
と、こちらは臨戦態勢を整えている。
最年少記録を塗り替える歴史的瞬間を目撃せよ!
どちらが賞金王に輝いても尾崎将司の26歳(1973年)を塗り替える史上最年少記録。現状を見れば、わずかに石川が有利だろうか。
いずれにしろ歴史の刻まれる瞬間を確実に目撃できるのだから、第三者的には願ってもない展開である。何度も予想を上回るプレーを見せてきてくれた2人だからこそ、どちらが勝者になろうとも最高のクライマックスを期待してしまうのだ。