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ファーガソンにも打つ手なしか?
マンUとイングランドの複雑なGK問題。 

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2011/05/26 10:30

ファーガソンにも打つ手なしか?マンUとイングランドの複雑なGK問題。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

現役引退の理由として「そろそろ家族のことを考えたい」とコメントしたマンUの正GKファンデルサール。写真は、2008年のFIFAクラブワールドカップで世界一になった時のもの

 マンチェスター・ユナイテッドが、アトレティコ・マドリーのゴールキーパーであるダビド・デゲアと契約合意寸前だという。

 そもそも、この話題は今年に入ってから一層注目されるようになっていたもの。たとえば4月28日の「ガーディアン」紙も、2ページにまたがってマンUの新ゴールキーパー問題を論じていた。

 目前に迫ったバルサとのCLファイナルはもちろん重要だ。

 だがファーガソンたちは、打倒バルサの戦術を練る一方で、既に来シーズンにむけて着々と動き始めていた。その最大の課題の一つが、ゴールキーパー探しだった。

 今シーズン、マンUのゴールを守っていたのは、今年1月に引退を表明している御年40歳のエドウィン・ファンデルサールだ。

 ゴールキーパーは比較的、長く勤務できる職種ではある。フィールドプレイヤーほど体力の衰えに左右されないし、経験でカバーできる部分も大きいからだ。世界最高のゴールキーパー、旧ソ連の「黒蜘蛛」レフ・ヤシンも40歳まで「ネット(網)」を背負ったし、イングランド代表として最多キャップ数を誇るピーター・シルトンにいたっては、'86年のW杯メキシコ大会のショックを乗り越え(マラドーナの5人抜き+神の手)、その後10年近く――なんと47歳まで現役を続けた。

 ただし、やはり限度はある。

今季で現役を退くファンデルサールの後任GKにふさわしいのは?

 ゴールキーパーの場合、骨折や打撲は日常茶飯事。ヘタをするとチェルシーのペトル・ツェフのように「選手生命の危機」ではなく、本当の「生命の危機」にもさらされかねない。ましてやファンデルサールは、2005年にフラムから移籍してきた時ですら年齢が高いと言われていたのだから、区切りのいいところで引退を発表したのは自然な流れだったのだろう。

 ちなみに、ファンデルサールの後釜として「ガーディアン」紙が挙げていたのは、1位がアヤックスのマーテン・ステケレンブルク、2位がアトレティコ・マドリーのダビド・デゲア、3位はラツィオのフェルナンド・ムスレラで、以下4位にリバプールのホセ・レイナ、5位にリヨンのユーゴ・ロリスと続く。

【次ページ】 最有力候補だったノイアーは早々にバイエルンへ移籍。

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