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サンダーの躍進を支える
若きGMの贅沢な悩み。
~迷える青年に開けたNBAへの道~
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYukihito Taguchi
posted2011/05/06 06:00
史上2番目の若さでGMに就くと、巧みなドラフトやトレードで戦力を徐々に充実させた
サム・プレスティ(現オクラホマシティ・サンダーGM)は大学を卒業したとき、進路に迷っていた。法律学校に行くか音楽学校に行くか。法律は大学の専攻のひとつ。音楽はドラマーとしていくつものバンドを掛け持ちして活動していた。まったくかけ離れた2つの選択肢で悩むというのは、それだけ興味の幅が広く、多才であったということだが、本人は「何をしたらいいか決められなかっただけ」と振り返る。
NBAへの道は当初、選択肢には入っていなかった。大学はバスケットボールでは無名のエマーソン大。4年間プレーし、最後の2年はキャプテンも務めたが、このスポーツを仕事にすることは現実的ではないと思っていた。