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絶好調のサンズを支えるナッシュの存在感。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
posted2005/04/14 00:00
昨年10月、フェニックス・サンズのトレーニングキャンプ中のこと。紅白戦でオーバータイムを何度やっても同点で、決着がつかなかったことがあった。しかたなくコーチが同点のまま練習を終わらせると、「決着がつくまでやるべきだ。バスケットボールに引き分けはないんだから」とコーチに食ってかかった選手がいた。キャンプ当時30歳、チーム最年長だったスティーブ・ナッシュだ。温厚な性格の裏で、人一倍負けず嫌いの彼は、勝負がつかないままに終わることに納得できなかった。
昨季は29勝53敗とどん底の成績だったサンズが、今季は一転して53勝17敗(3月28日現在)と好調で、リーグ首位を争っている。その大躍進の理由のひとつに、ナッシュの加入がある。今季ナッシュが怪我で欠場した6試合のサンズの成績が2勝4敗であることからも、いかにチームにとって大きな存在かがわかる。的確なアシストを配し、チームメイトの才能を生かす名ポイントガードというだけでなく、見かけによらず熱い男でもある。