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「世界王者」の乱発が
PFPの価値を高める。
~最強ボクサーはファンが決める~
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byGetty Images
posted2009/11/11 06:00
ミゲル・コット(右)を倒し、メイウェザーとのPFPキング決戦に弾みをつけたいパッキアオ
スーパーチャンピオン、名誉王者、休養王者、暫定王者に正規王者……。今どき「世界王者」を名乗るボクサーは覚え切れないほど存在する。
WBA、WBC、IBF、WBOといった通称アルファベット団体は、次から次に新手のタイトルを考え出す(認定料稼ぎの手段としか考えられないが)。昔のように稀少価値を売り物にできなくなったチャンピオンたちは、複数王座を獲得するか、よほどのカリスマがないと稼げない。だからというわけでもあるまいが、近年注目されてきたのが「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」という評価法だ。以前は「ミニマム級からヘビー級まで、体重を一定と仮定したとして……」という説明が必要だったが、今はその手間も省けるほどファンの間に浸透してきた。