「ファンも肩身が狭いですが、選手はもっと辛いはず」

　開幕日が未だ決定せず騒動の渦中にあった3月23日の夕方。水道橋駅前に巨人の阿部、小笠原、長野などの主力選手が募金箱を抱えて登場すると、周囲には3000人以上のファンが集まった。

　仕事を抜けて千葉から駆け付けたという男性はいう。

「震災以来、球団を疑いたくなるような報道ばかりで一時はファンを辞めようかと弱気になったけど、今日募金をやると聞いていてもたってもいられず、ここに来てしまいました。選手がこういう活動をしてくれて嬉しい、というかホッとしました。選手は何も悪くないですし、僕は巨人を応援し続けますよ」

　もちろんメインは募金なのであろうが、彼のように疑心暗鬼となってしまった巨人への気持ちを解消するために、この場所に選手に会いに来たという人も少なくなかった。品川から来たファン歴22年の男性は、1時間並んだ末に時間切れになってしまったとか。

「巨人の選手もファンも、多分100％に近い人が開幕延期を望んでいるのに、あの人たちのおかげで誤解されてしまうことになった。僕らファンも肩身が狭いですが、選手はもっと辛いはず。僕らが応援せずに誰が選手を応援するんだと思ったら、ここに来てました。ここにいるファンのみんなも同じような気持ちなんじゃないですか」

「原監督が巨人にいる限り、何があっても巨人ファンは辞めない」

　募金しに来ている人たちということもあり「ファンを辞める」という声は誰ひとりとして聞こえなかった。大勢の意見は以下のように「チームや選手が好きだから応援する」という論調だった。

「何がよかったのかは未だにわからないけど、予定通りに開幕しても、ナイターを東京ドームでやったとしても、選手がそれでいいと決めたのなら僕は支持しますし、選手が反対すれば反対します。ただ、本音としては開幕戦のチケットを苦労して取ったのでやってほしかったですけど……」（巨人ファン歴19年・男性）

「原監督が巨人にいる限り、何があっても巨人ファンは辞めない。どこの世界でも経営者が金のことしか考えないのは同じだし、現場は板挟みになって可哀想だけど、こればっかりはしょうがない。ファンは現場の意見を支持し続けるだけ」（巨人ファン歴28年・男性）

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