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最強横綱に挑戦する19歳のサラブレッド。
text by
服部祐兒Yuji Hattori
posted2004/09/09 00:00
大鵬、北の湖、千代の富士ら大横綱に次ぐ4連覇を達成した朝青龍。唯一優勝のなかった名古屋場所を制し、年間6場所完全制覇という偉業が、にわかに現実味を帯びてきた。不滅の記録といわれた北の湖の年間勝利数82も射程圏にとらえた朝青龍だが、土俵外でまたもや大失態を演じてしまった。名古屋場所千秋楽の翌々日、酔っ払って部屋の玄関ガラスを割って大暴れ。理由は定かではないが、パトカーや救急車も出動する前代未聞の事態。その横綱にあるまじき品格、行動については、これまでも何度も問題になったが、あまり改善が見られない。高砂親方は朝青龍に対し「今度同じようなことをしたら、相撲を辞めてモンゴルに帰ってもらう」と言い渡したそうだが、もしもそうなれば一大事である。一人横綱として今や大相撲の屋台骨を背負って立つ朝青龍に対し、今こそ協会は本腰を入れて横綱教育を施すべきと私は考える。憎まれるほど強くなってしまった朝青龍を、皆が憧れるスターに育て上げるにはどうしたらいいか。今を逃せば朝青龍は永遠に悪役横綱のままである。