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名門、近大ボクシング部は
なぜ廃部に追い込まれたか。
~相次ぐボクサーの不祥事~
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byBOXING WORLD
posted2009/07/15 06:00
'88年、大学日本一に輝いたときの記念写真。前列左から3番目が赤井英和コーチ(当時)
五輪でも「参加する」のがやっとのわが国のアマチュアボクシングが、メディアで取り上げられることは極めてまれである。しかし、不祥事となれば話は別だ。近畿大学の19歳のボクシング部員2人が強盗容疑で逮捕され、大学は即刻廃部を決定――このニュースは、スポーツ紙はもとより一般紙の社会面でも大きく取り上げられた。
近大ボクシング部は、かつて関西で無敵を誇り、大学日本一にも11度輝いた名門校である。'68年のメキシコ五輪銅メダリストの森岡栄治や、アマ&プロともに日本王者に君臨した辻本章次ら名選手を何人も輩出した。現役世界王者の名城信男もそうだし、「浪速のロッキー」赤井英和は、プロ引退後、俳優になる前の束の間、母校のコーチを務めている。