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吉田秀彦vs.米国人格闘家 その意外な相性。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
posted2005/09/15 00:00
大盛況のうちに終わった『PRIDE ミドル級GP 2005
決勝戦』において、ただひとつだけ解せなかったのが、『吉田秀彦vs.タンク・アボット』というカードである。大義名分として「ヘビー級戦線へ挑む吉田への試金石」とあったが、アボットは失礼を承知で言わせてもらえばピークは'90年代後半、すでに盛りを過ぎた選手であり吉田の相手をするにはどうも魅力に乏しい。それに吉田はドン・フライ、マーク・ハントからも勝利を奪っており、ヘビー級転向に関してとくに問題はない。
では、なぜ組まれたのか? その答は大会閉会式で明らかになった。白人の紳士がリング上でマイクを持つ。その人は、米国TV局『FOXスポーツ・ネットワーク』(以下FSN)の番組編成制作局副局長のジョージ・グリーンバーグ氏だった。彼いわく、FSNでPRIDEの番組を毎週日曜日、午後9時のゴールデンタイムで放送することが決まったという。FSNといえばアメリカ4大プロスポーツを放送している米国を代表するスポーツTV局。ケーブル・チャンネルではあるが無料放送ということで、全米でPRIDEの注目度が高まることはまちがいない。