「テレビカメラを客にぶち当てて…」千代の富士、結婚パーティーで親方が“マスコミ不信”に…相撲協会が結婚披露宴「テレビ中継NG」を決めた日

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「両親も知らないのに…」婚約スクープ

　昭和30年代後半から40年代にかけてのプロスポーツの世界で、巨人とともに圧倒的な強さから人気を集めたのが横綱・大鵬である。大鵬は1966年、巡業中に知り合った秋田の老舗旅館の息女と9月場所後に婚約、翌1967年5月29日に挙式した。

　帝国ホテルでの披露宴には2700万円の費用をかけ、約1500人が出席、200人の報道陣が記者会見に集まった。このとき、子供は何人ほしいかと訊かれた大鵬は「男を3人くらい」と答えている。実際に儲けた3児は全員女の子だった。しかし後年、三女が元関脇・貴闘力とのあいだに4人の男の子を儲け、現在、長男の納谷幸男はプロレスラー、次男・三男・四男は祖父・父親と同じ角界に進み、それぞれ納谷・王鵬・夢道鵬の四股名で将来を期待される。

　大鵬の最年少記録を塗り替える21歳2カ月で横綱に昇進した北の湖は、結婚に際しても大鵬を超える「1億円披露宴」と騒がれた。1978年9月30日の帝国ホテルでの披露宴では、直前の9月場所まで5連覇を果たしたのにちなみウエディングケーキも高さ5メートルがお目見えした。会場は同ホテルでも一番広い孔雀の間であったが、出席者1525人全員は入りきらず、廊下にまで卓が並べられ、あふれた140人の招待客はモニターテレビで式の模様を鑑賞することになった。披露宴の模様はNHKで生中継もされている。

　この婚約時もマスコミ絡みでひと騒動起こっていた。北の湖の交際を師匠である三保ヶ関親方（元大関・初代増位山）も二人の両親も知らないうちに、1978年の年明け、初場所中にスポーツ紙が婚約をスクープしたため、急遽、彼女の実家と相談するなど対応に追われたのだ。二人が会見して正式に婚約を発表したのは、記事が出て2週間後の2月6日であった。

“マスコミ不信”になった親方

　北の湖に続き一時代を築いた大横綱・千代の富士の場合は、人気も高かっただけに、大関昇進の前後より結婚相手をめぐり取材合戦が繰り広げられた。

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