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「ラーメン屋はJリーガーよりも難しい」プロ19年・盛田剛平(47歳)が家族に内緒で始めた第二の人生「正直、赤字」でも、なぜ笑顔?

posted2024/02/02 11:00

 
「ラーメン屋はJリーガーよりも難しい」プロ19年・盛田剛平(47歳)が家族に内緒で始めた第二の人生「正直、赤字」でも、なぜ笑顔?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

2023年3月にラーメン屋「盛田軒」をオープンした盛田剛平さん(47歳)

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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Yuki Suenaga

19年にわたってJリーグで活躍した盛田剛平(47歳)。現役引退後は指導者の道を歩んできたが、2023年3月に念願の「ラーメン屋」をオープンした。しかし、わずか半年でメニューを一新するリニューアルを決断。試行錯誤を重ねる日々に迫った【全2回の前編/後編に続く】

 埼玉県のJR高崎線・宮原駅から徒歩5分。住宅街に位置するビルの1階に「盛田軒」が見えてくる。

 ラーメン屋の店主を務めるのは、サンフレッチェ広島や浦和レッズなどのクラブを渡り歩き、Jリーグで19年間プレーを続けてきた盛田剛平(47歳)だ。

 2023年の暮れ、前日に放送された全国ネットのテレビ番組の影響もあってか、14時を過ぎても店の前には行列が出来ている。足を踏み入れると、看板メニューである泡立った真っ白なスープの創作鶏白湯麺を啜る面々で溢れていた。ランチタイムが終わっても、常連客と間近に迫った箱根駅伝について談笑を交わしている。一見、順調そうな毎日を過ごしているかと思いきや、盛田はこんな言葉を絞り出す。

「店をはじめて半年強、正直赤字ですね。ラーメン屋は甘くない。私にとってはJリーガーを続けるよりも、繁盛したラーメン屋を続けていくほうが難しいかもしれません」

ほぼ毎日、厨房に立っている

 アスリートがセカンドキャリアとして飲食店を選ぶことは珍しくない。外食の機会も多く、舌が肥えたスポーツ選手は食への関心が強まる面もあるのだろう。例えば、野球選手と焼肉屋などはセットのように出店がある。しかし、もはや国民食となり、店の入れ替わりが激しいラーメン店となるとその数はかなり限定される。特に盛田のように、ほぼ毎日店に立つとなると稀有な存在だ。

 現役時代はサポーターから「ラーメン師範」とも呼ばれた男に、自身のセカンドキャリアについて聞いた。

【次ページ】 オーナー兼店長、サッカー指導者、2児の父

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