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先発トップ山本由伸、救援2位の松井裕樹がメジャーに去るが…3位以下を見ると「投手王国オリ」は盤石か〈パ投手:貢献度指標ランキング〉

posted2023/12/31 11:10

 
先発トップ山本由伸、救援2位の松井裕樹がメジャーに去るが…3位以下を見ると「投手王国オリ」は盤石か〈パ投手:貢献度指標ランキング〉<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/JIJI PRESS

山本由伸と松井裕樹。MLBに挑戦するパ・リーグ産の剛腕はどんな貢献度指標を残したか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki/JIJI PRESS

 関西2球団の優勝で幕を閉じた2023年プロ野球。セパ投手・野手を「貢献度指標」でランキング化した。《全4回の4回目/セ投手編セ打者編パ打者編も配信中です》

 パ・リーグの投手陣は、今年も山本由伸を中心に回った。しかし昨年とは、かなり異なる傾向も見られた。地殻変動が起こっている印象だ。

 ★2022年と2023年のチーム総合成績の比較:チーム防御率順★
〈2022年〉
 西武:72勝68敗44S121H 81本436球984振/率2.75
 オリックス:76勝65敗43S126H 88本375球1175振/率2.84
 ソフトバンク:76勝65敗35S124H 115本474球1176振/率3.07
 ロッテ:69勝73敗38S123H 116本413球1022振/率3.39
 日本ハム:59勝81敗25S102H 92本422球1014振/率3.46
 楽天:69勝71敗35S104H 123本401球1018振/率3.47

〈2023年〉
 オリックス:86勝53敗46S117H 73本405球1155振/率2.73
 西 武:65勝77敗35S98H 95本511球1010振/率2.93
 日本ハム:60勝82敗29S 99H 106本363球942振/率3.08
 ソフトバンク:71勝69敗33S 129H 111本451球1068振/率3.27
 ロッテ:70勝68敗45S134H 101本412球1102振/率3.40
 楽天:70勝71敗42S121H 101本440球921振/率3.52

 チーム総合の防御率は、去年も今年も「西武、オリックス」の2球団が2点台で「2強」だった。今季の西武は森友哉がFA移籍し、山川穂高がトラブルで試合に出られなかった。優勝争いをしてもおかしくない投手陣を擁しながら、打線の援護が薄くて生かすことができなかった。

 3位以下の球団はすべて防御率3点台だが、日本ハムが3.46から3.08と向上しているのに注目だ。対照的にソフトバンクは防御率を下落させている。

救援陣の防御率でオリは“意外にも3位”

 次に先発、救援別の防御率を昨年からの推移(2022年→2023年)で見ていこう。カッコ内はリーグ順位。

 オリックス 先発: 2.77(1)→2.61(1) 救援: 2.96(3)→2.93(3)
 ロッテ 先発: 3.35(5)→3.43(4) 救援: 3.54(5)→3.35(6)
 ソフトバンク 先発: 3.28(4)→3.63(5) 救援: 2.72(2)→2.78(1)
 楽天 先発: 3.68(6)→3.66(6) 救援: 3.09(4)→3.27(5)
 西武 先発: 2.99(2)→3.00(2) 救援: 2.31(1)→2.81(2)
 日本ハム 先発: 3.26(3)→3.14(3) 救援: 3.83(6)→2.95(4)

 オリックスは先発投手陣がダントツの1位。2023年は、2022年からさらに進化した。救援投手陣は3点を切っているものの、リーグ3位なのは意外なところか。救援陣も全体としてのレベルは高かったが、絶対的なセットアッパーやクローザーはいなかったともいえる。

【次ページ】 ここ2年の先発投手の“貢献度”を見てみると

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オリックス・バファローズ
千葉ロッテマリーンズ
東北楽天ゴールデンイーグルス
福岡ソフトバンクホークス
埼玉西武ライオンズ
北海道日本ハムファイターズ
山本由伸
松井裕樹
千賀滉大
高橋光成
今井達也
平良海馬
田中将大
山下舜平大
宮城大弥
佐々木朗希
ロベルト・オスナ
山崎颯一郎
宇田川優希
平野佳寿
益田直也
青山美夏人
則本昂大
田中正義
河野竜生
西村天裕
増田達至

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