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プチ鹿島、5月のスポーツ新聞時評。
プロ野球も都政もコリゴリジョン!? 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byAsami Enomoto

posted2016/05/31 11:00

プチ鹿島、5月のスポーツ新聞時評。プロ野球も都政もコリゴリジョン!?<Number Web> photograph by Asami Enomoto

6月1日から始まる交流戦……もとい、都議会が、舛添都知事の試合のフィールドとなる。

「舛添コリジョンルール」ではないのか?

 さて、そんな舛添都知事は数々の疑惑浮上から3回目となった5月27日の定例会見では「第三者の厳しい目で」「精査します」を連発。デイリースポーツによると「一日も早く」「一刻も早く」を約30回連呼したという。

 どう見てもアウトっぽいが、セーフにひっくり返したい舛添都知事。

 これぞ「舛添コリジョンルール」ではないか。

 野球も都政もコリジョンが5月のキーワードでした。

スポーツ紙の記者が大学時代から追い続けていた今永。

 同じ「ひっくり返した」でも、この人は痛快だ。

 DeNAのドラフト1位ルーキー・今永昇太投手である。

「今永月間4勝 球団新人54年ぶり」(スポーツ報知・5月29日)

 デビュー4連敗からの4連勝。5月はぜんぶ勝った。球団新人で月間4勝は'62年の稲川誠以来というから歴史的。

 私は前回のこのコラムで今永をとりあげた。好投しても勝てない今永だったが、「言葉」が話題になっていたのだ。たとえば「負けた投手の名前は残らない。いい投球だったとしてもプロ野球は昨日得た信頼を今日失う世界なので」など。

 この今永語録を記事にしたのがスポーツ報知。「援護4戦1点でも失策出ても信念を持ち前向くドラ1ルーキー。今永『負けの哲学』」(4月25日)。

 このあと私はスポーツ報知の加藤デスクに会うことができた。TBSラジオの『プチ鹿島のスポーツ紙大将』(5月5日)という番組にゲストで来てくれたのだ。そこで今永のことが話題になり、記事のことをたずねてみた。

 すると「あれを書いたのは神原という記者です。彼はアマ野球担当のときに駒大時代の今永をずっと見続け、現在はDeNA担当なんです。彼にとって今永は思い入れのある存在。だからああいう記事が書けたのです」という答えが返ってきた。

 放送の翌日、今永が初勝利をあげた。そして連勝がはじまる。

「ド偉い新人!! 今永初勝利 6戦目やっと『過去の自分に勝てた』」(日刊スポーツ・5月7日)
「岩貞に投げ勝った今永 プロ初勝利より嬉しい ハマスタ初勝利」(サンスポ 5月15日)
「今永3連勝 三ツ星左腕が燕料理」(サンスポ 5月22日)

【次ページ】 今永を奮い立たせた言葉“逆境こそ覚醒のとき”。

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