結果ですべてをねじ伏せていく松山の“勝負強さ”。

　細やかな目標や数字を口にするのは、松山本人も同じだ。

　全米プロ開幕前には「シードのことを考えると、賞金がゼロではダメ。まずは予選通過をしなくてはいけない」と段階的な目標を掲げた。最終日終了後には「昨日は通算2アンダーがトップ10くらいだったので、今日は1日5アンダーを目指してやっていた」と明かし、「昨日まで（自分の）フェアウェイキープ率は1位ですよね。でも今日はたったの4回でしょう？」とデータまで頭に入っていた。

　松山の今季PGAツアーにおける最終ラウンドの平均スコアは68.8。ツアーの正式メンバーではないため参考記録だが、これを今季5回以上最終ラウンドを戦った米ツアー選手の正ランキングと照らし合わせると、1位に相当するのだ。最終成績という目標に近づくほど、好スコアが出るのも松山の強みだろう。

　来シーズンの米ツアー進出を決めたあと「そりゃ、ホッとします。本当は先週に決めて、今週は伸び伸びやりたかった」と、松山はちょっとふくれ面をして言った。重圧から解放された瞬間だった。不安や迷いを打ち消す、結果への強いこだわり。それが勝負強さに直結している。