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結果への執念で全てねじ伏せる!!
松山英樹流、迷いと不安の解消法。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byAP/AFLO

posted2013/08/18 08:01

結果への執念で全てねじ伏せる!!松山英樹流、迷いと不安の解消法。<Number Web> photograph by AP/AFLO

全米プロ3日目はショートパットを外すなどスコアを落としたが、最終日で66をマーク。来季の米ツアーシード権は確実となった。

 絶対王者にしてみれば、21歳の悩みなど、きっと小さく思えるのだろう。8月のWGCブリヂストンインビテーショナルで、タイガー・ウッズは初めて同組でプレーした松山英樹のことを讃えながら、こう言った。

「彼のボールはいつもピンに向かっていく。本当にアグレッシブだし、ミスをすることなんて頭にないんだろう。年を取ると、インドはどこ、太平洋は、大西洋はどこだったか……なんてあっちこっちに頭がいくものだ。でも彼は、そんな余計なことを考えないんだ」

 コースへの恐怖心も、スイングへの不安も、失うものもない。純真なるままに、目の前のボールをただ打ち続けられれば、どんなにラクだろう。

 だがウッズの羨望の言葉とは裏腹に、松山はユーラシア大陸を越え、大西洋を渡ったこの夏、来季の米ツアーシード権獲得に向けた重圧と、試行錯誤の真っただ中にいた。

成績は良いのに、松山の表情が優れなかったのはなぜなのか?

 全英オープンで冴えたショットに、違和感を覚え始めたのは、翌週RBCカナディアンオープンでのことだった。続くWGCブリヂストンインビテーショナルでも「4日間ショットが思うようにいかなかった」とこぼした。それでもこの2試合は16位、21位と、上位でフィニッシュを決めたが、表情は曇るばかりだった。

 そしてメジャーのシーズン最終戦、全米プロゴルフ選手権の直前にはテレビ解説のため、現地視察に来ていたシニアプロの加瀬秀樹に急きょ教えを請うた。加瀬は「風の強いイギリスで低い球を打ち続けたこともあって、アドレスが乱れていた」と指摘。「良いきっかけが見つかった」と松山は嬉しそうに話し、開幕に備えたのである。

 ところが試合が始まると、自分に対する不信感が顔をのぞかせる。

【次ページ】 「ダメだ、今日は」と言い放ち、練習場を後にした。

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