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柿谷の2ゴールで東アジア杯初優勝。
本田とは異なる1トップ&トップ下像を。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/07/29 12:25

柿谷の2ゴールで東アジア杯初優勝。本田とは異なる1トップ&トップ下像を。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ザッケローニ監督は「すぐに再招集される選手がいる」と序列の更新を示唆した。柿谷がその筆頭にいることは間違いないだろう。

立ち上がりから攻める韓国に、劣勢に立たされた日本。

 ニューヒーロー柿谷のゴールによる劇的な勝利と、東アジアカップ初制覇の歓喜が前面に出てはいるが、ほぼ90分間にわたって日本は劣勢だった。

 ザッケローニ監督は第2戦のオーストラリア戦から先発11人全員を再び入れ替え、初戦の中国戦と同じ11人をピッチに送り込んだ。

 集合してからわずか3日目に行なわれた中国戦では、守備の連係がままならず、3失点を喫して引き分けに終わっていたが、今回はしっかり修正されていなければいけない。

 山口螢、栗原勇蔵、工藤壮人を除く8人はオーストラリア戦に出場しておらず、試合間隔もしっかり1週間空いている。暑さ、湿気は過酷だが、コンディションも言い訳にはならない。

 気温27度、湿度96%。雨の中、蚕室(チャムシル)五輪スタジアムでキックオフ。優勝するためには2点差以上の勝利が必要な韓国に立ち上がりから攻め込まれ、ピンチにさらされた。特に攻め込まれたのは日本の左サイド。守備陣は対応に追われ、ラインが徐々に下がり出す。

1人目の交代後に見せた、すばらしい対応力。

 前半24分、柿谷がワンチャンスをものにして先制に成功した後も、ピンチは続いた。ザッケローニ監督が大きなジェスチャーでラインを上げるように指示を飛ばし、DFが大きなクリアでラインの押し上げを図った前半33分。クリアを拾われてなおも攻め込まれる日本は、バイタルエリアにできたスペースをユン・イルロクに使われ、ミドルシュートで同点とされた。リードを守れた時間はわずか10分間だった。

 ハーフタイムには槙野智章が脱水症状を起こし、後半7分に徳永悠平と交代。最初のカードを切ることを余儀なくされた。

 ところがこのときの日本の対応力は素晴らしかった。右サイドバックの駒野友一が左に回り、徳永が右へ。すると、韓国の足が徐々に止まり始めたこともあり、簡単にはチャンスを作らせないようになる。

 1点を取りに行った2人目の交代からは、誰が出場チャンスをつかんだのかという部分で、今後の選考へ向けての指揮官の思惑の一端がおぼろげながら浮かび上がってきた。

【次ページ】 豊田に象徴される、チームと個のバランスのよさ。

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