今野と吉田の座は不動だが……枠はまだ残されている。

　ただしこのポジションについては、今野と吉田のレギュラーの座は不動だ。

　最終ラインにおけるコンビネーションの成熟度は費した時間によって決まるため、残り1年で新戦力を機能させることは簡単ではない。だからおそらく、今大会は“第3の男”栗原の成長を促すのが最大のミッションになるだろう。

　先のコンフェデレーションズカップではまたしても世界トップレベルとのフィジカル能力の差を感じざるを得なかった。もちろんそれは、組織的な連動やポジショニングである程度は補うことができる。しかし1対1の局面に追い込まれると、日本は決定機を作られ失点を重ねた。

　周知のとおり、対人の強さ、空中戦における栗原のフィジカル能力は世界と比較しても引けを取らない。しかし堅実性と安定感では今野と吉田に及ばない。最終ラインの中核として臨む東アジアカップの舞台では、新戦力の突き上げを感じながら一回り大きく成長しなければならないし、それがザッケローニの狙いであってほしい。

　もっとも、森重、鈴木、千葉、森脇、槙野にも今大会を欠場する“伊野波枠”を狙うチャンスがある。特にサイドバックもこなす森脇と槙野はこの枠にピタリとハマり、ムードメーカーとして機能する人間性についてもザッケローニは理解しているはず。彼ら2人は、今大会の結果いかんで再び生き残り戦線に加わる可能性が浮上するだろう。

柴崎や山口は、高橋の成長を促す存在に過ぎない!?

　遠藤保仁と長谷部誠の組み合わせが“鉄板”となっているボランチについても、おそらく、栗原と同様の成長を高橋秀人に期待しているのではないかと推察できる。

　準レギュラーとしては細貝萌、ボランチもこなせる中村憲剛らがいる。その陣容のプラスアルファとして高橋を招集し続けてきた過去を考えると、根強い待望論があった柴崎岳や山口螢もあくまで「刺激」としての見方が強いのではないだろうか。ただし、この3試合で候補者たちが高橋のパフォーマンスを大きく上回るようなら、“高橋枠”が入れ替わる可能性も出てくる。

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