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中田英寿、ロッベン、ベッカム…ワールドカップとは“因果応報”の大会である《金子達仁エッセイ》

2026/07/09
ブラジルに敗れた後、円陣を組む森保ジャパン

 つうこんのいちげき!

 せんしゅは、たおれこんだ。ふぁんは、ことばをうしなった。かんとくは、めをあかくした。

 にっぽんは、ぜんめつした。

 ワールドカップは、因果応報の大会である。

 1966年のイングランド・ワールドカップ。サッカーの母国に初の世界タイトルをもたらしたのは、2-2で迎えた延長前半11分、ジェフ・ハーストの放った反転シュートだった。西ドイツGKティルコフスキの手をかすめた一撃は強烈にクロスバーを叩き、そのまま真下に落下した。スイス人のディーンスト主審は、副審と相談し、ボールがゴールラインを越えていたと判定した。

 イングランドは、西ドイツを倒した。

 2010年の南アフリカ・ワールドカップ。決勝トーナメント1回戦でドイツと対戦したイングランドは、1-2で迎えた前半38分、ランパードの放ったループショットがGKノイアーの頭上を破り、バーを叩く。落下したボールは明らかにゴールラインを越えていたが、ウルグアイ人のラリオンダ主審は得点を認めなかった。

 イングランドは、ドイツに敗れた。

 今回のワールドカップ。日本と同居したF組を首位で通過したオランダは、決勝トーナメント1回戦でモロッコと対戦し、PK戦の末に大会を去った。オランダ人を嘆かせたのは、異様なほどの情熱でモロッコを後押ししたスタジアムの雰囲気だった。

 メキシコ人は、12年前のブラジル・ワールドカップを忘れていなかった。1-1で迎えた後半終了間際、ロッベンの“転倒”によってオランダに与えられたPKは、ポルトガル人のプロエンサ主審による世紀の誤審であると信じていた。

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photograph by Tsutomu Kishimoto

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