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「本当にプロへ行けるのか?」揺らぐ大栄利哉(学法石川)を支えた兄・陽斗と目指す、プロでの“兄弟バッテリー”「待ってるよ、って」《インタビュー後編》

2026/01/29
「プロ野球選手になりたい」と夢を抱き、野球に心血を注ぐ。2025年のドラフト会議では116名が指名を受け、夢舞台のスタートラインに立った。だが、そこに辿り着くまでの道のりは、決して平坦なものではないだろう。
 NumberPREMIERの動画インタビューによる新連載「ドラフトノンフィクション」では、一人の球児が野球と出会い、"運命の日"を迎えるまでの栄光と挫折の日々を、選手と関係者の証言をもとに描き出す。記念すべき第1回に登場するのは、楽天から4位指名を受けた大栄利哉。後編では、U-18 W杯で感じたことや、励まし支え合う兄弟の絆について語られている。前編中編も併せてお楽しみください》

「学法石川の大栄利哉」の名が全国的に広まったのは、2025年4月に開かれたU-18日本代表の候補合宿からだ。

 ドラフト候補と呼び声高いピッチャーから快打を連発し、守備ではプロでも速い部類とされる、最速1.80秒台の二塁への送球タイムを記録した。なにより、大栄には常に声を絶やさないような元気があった。

 プロのスカウトやメディアの評価がリアルタイムで届く。それまでは「目指したい」と思っていた夢が、現実味を帯びてきた。

「候補合宿の結果で『プロ(志望届)を出せるんじゃないか?』って」

©Genki Taguchi
©Genki Taguchi

 だが、高いレベルを知ったからこそ、大栄には迷いが生じるようになった。公式戦での打率は3割を超えていたが、印象的な打席が少なかった。次第に「これでいいのか?」と自分の結果に疑いを持つようになってしまう。

「本当にプロへ行けるのか?」

 揺らぐ大栄を支えたひとりに6歳上の兄・陽斗がいた。SNSや電話を通じて頻繁にやり取りするなかで、野球の技術的な話はもちろん、心に抱える不安をぶつけていた。

 兄は弟の気持ちに寄り添い、背中を押した。

「後悔だけはするなよ」

 25年9月に開催されたU-18 W杯の日本代表に選ばれた大栄は、5試合に出場しノーヒットに終わった。しかし、スーパーラウンドのパナマ戦でバントを決めるなど、勝利に貢献。学法石川の佐々木順一朗が讃える。

「代表の小倉(全由)監督から『あんなに明るい子はいないよね』と言われたんです。いいパフォーマンスができなくともそれができることが、彼の持っている一番の強みかなと」

U-18日本代表に選ばれ、福島県高野連から表彰を受ける ©Genki Taguchi
U-18日本代表に選ばれ、福島県高野連から表彰を受ける ©Genki Taguchi

 一筋縄ではいかなかった高校生活。それを乗り越えた先に「楽天ドラフト4位」という、大願成就が待っていた。

 弟を支えた兄が誇らしげに言う。

「落ち込んだ時期もあったと思うんですけど、またそこを上回るきっかけを掴んだっていうのが、弟だけどすごいなって思いました」

 トヨタ自動車でプレーする兄とて、プロの夢を諦めたわけではない。弟がひと足先にその道を進むことで、より燃えている。

 その弟がプロで目指すのは、オリックスの森友哉のような打てるキャッチャーだ。

「焦らずに全力を尽くしてやっていきたい」

 恩師と兄が望む、長くプレーできる選手へ。大栄利哉は新たなスタートラインに立つ。

ドラフト指名後、チームメイトたちが祝福 ©Genki Taguchi
ドラフト指名後、チームメイトたちが祝福 ©Genki Taguchi

 動画では以下のような話題について語っています。

  • U-18日本代表候補合宿で対戦した投手
  • 木製バットへの対応で意識していること
  • 「プロに行く」目標が揺らぎ始めた理由
  • U-18 W杯で「すごい」と感じた選手
  • 心の支えとなった兄・陽斗との絆
  • プロ野球選手としての意気込み

 高校日本代表候補に選ばれるも「プロに行けるのか?」と悩む日々。大栄選手を奮起させた裏には恩師や兄との絆があった。約30分間の動画インタビューを是非ご覧ください。

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photograph by Genki Taguchi

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