今回は25歳を迎え、「ベテラン」と言われる年齢でオリンピックシーズンを迎える山本草太選手へのインタビュー記事について話をしてもらいました。昨シーズンは物足りない結果となりましたが、そこにも理由があったといいます。野口さんが語る、新シーズンへの大きな期待とは?
「山本選手は去年あまり納得がいかない結果だったと思うんです。来年のオリンピックを迎えるシーズンに当たって、ノリノリの気持ちじゃないんじゃないかな、どういう心境なのかな…と、少しおそるおそる話を聞きに行ったところがありました」
山本草太選手は2022-23シーズンにグランプリファイナル、世界選手権に出場。2023-24シーズンにはスケートカナダで優勝、全日本選手権では3位と初の表彰台にのぼり、四大陸選手権にも出場するなど、日本トップレベルの選手へと成長しました。しかし2024-25シーズンにはグランプリシリーズで表彰台に乗れず、全日本選手権ではシニア移行後最低の10位と、彼の実力からすると物足りない結果に終わっていました。
そのため、野口さんも山本選手に取材するにあたって、推し量れないところがあったそうです。しかし実際に取材の場での山本選手は「ものすごく前向きだった」。
「安心もしたし、頼もしく思いました。去年何が悪かったかという原因もわかっているし、対策もできている。スイッチが入っている状況で、今年は期待して見られると思います」

昨シーズンの不振はオリンピックシーズンを見据えて4回転フリップにチャレンジしていた面もあるとのこと。練習ではフリップを入れて跳んでいたところ、まだ完成度がじゅうぶんとは言えないため、本番では従来のサルコウとトゥループのみに戻していた山本選手。しかし練習時と感覚が違うため、それまでのジャンプのみに戻してもうまく跳ぶことができなくなってしまっていたそうです。
「結果には結びつけにくいやり方だったと思います。でも本人も納得しているようでした。『今までもそういうふうにやってきたし、結果が出なくてもそれは過程なんだ、耐えるシーズンなんだ』と」
羽生結弦、宇野昌磨が引退し、島田高志郎はアイスダンスに転向。男子フィギュア界でオリンピック出場を争うメンバーの構図は前回の北京とは大きく変化しました。現状日本のトップレベルにいる5〜6人が候補になりますが、確率的には全員に可能性があると野口さんは話します。
「正直なところ、技術にはそこまでの差はないんです。あとは精神論の世界になってきます。山本選手は3回目のオリンピックシーズンのチャンスとなりますが、ベテランだけにブレがないなと感じますね」
勝負のシーズンとなる2025-26シーズンのプログラムは、SPが「イエスタデイ」、FSは「ハレルヤ」。「イエスタデイ」は山田満知子先生のところに移った年に樋口美穂子先生が振り付けをしてくれた思い出深いプログラムです。野口さんは当時との「違い」について言及しましたが、その「変化」とは?
そしてローリー・ニコルさんが振り付けをした「ハレルヤ」。この曲を選んだのも、ここ数シーズンでアップテンポの曲を演じたからこそ、自分の強みを見つけたからなのだといいます。
ポッドキャストでは以下の話題でも盛り上がりました。
- 3回目のチャンスでの心境とは
- 今だから演じる「イエスタデイ」の深み
- シーズンの動き出しは3カ月前から
- 技術力が同じ時、「ベテラン」の強みとは
- インタビューで感じた安定感と落ち着き
「絶対演技を見て泣く予感しかしない」野口さんと聞き手・藤井も今から山本選手の演技を「早く見たい!」と一致。今から楽しみでなりません。(6月23日収録)
※ポッドキャストをお聴きいただけるのはNumberPREMIER会員限定で、このページ下部でご視聴いただけます。
プラン紹介
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
このシリーズの動画を見る
記事


