#620

記事を
ブックマークする

ノリックらしい決断でWSBへの転身を決意。

 ノリックこと阿部典史のキャリアは、レース界の常識を次々に打ち破るものだった。ワークスライダーになり、いろいろな経験を積み、ある程度年齢を重ねて初めて、周囲が最高峰クラスのマシンに跨ることを認める。そんな時代に17歳で彗星の如く全日本最高峰クラスにデビューし、史上最年少18歳でチャンピオン獲得。翌年にはWGPデビューを遂げ、フル参戦2年目の日本GPでは、F・スペンサーの記録にわずか1カ月及ばずも、史上2番目20歳7カ月で最高峰クラスの優勝を飾った。

 そのノリックが、ついにMotoGP制覇の夢を果たせないまま、スーパーバイク世界選手権(WSB)へ戦いの場を移すことになった。昨年はMotoGPクラスで13位と低迷。世界の頂点だけを追い求めてきたノリックにとって、一時は引退も考える苦しい終盤戦となった。ホンダからヤマハに移籍したばかりのV・ロッシが、同じマシンであっさりとチャンピオンになっているだけに、今季の構想から外れるという厳しい評価も当然のことだった。しかし、「自分で考えていたより、まだ自分を必要としてくれる場所があった」と、現役続行とWSBへの参戦を決めた。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Satoshi Endo

0

0

0

前記事 次記事